代表 岩崎愛の想い

「世界を見てきたけど、日本ヤバくない?」

高校を中退し、世界一周の船旅から戻ってきた17歳の私は、直感的にそう感じました。

旅に出る前、日本に養護施設があることさえ知らなかった私。
でも、船上で児童養護施設出身の女性に出会い、日本の子どもにまつわる現状を知り、
自分の生きてきた世界が180度違って見えました。

日本で今最も深刻なのは、子どもにまつわる問題だと感じます。
貧困、虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、トー横キッズ。
解決どころか、その状況は深刻化の一途を辿っています。

私はそんな現実を知り、幼い頃からやり場がなかった自分のエネルギーを、
日本の子どもをめぐる課題解決に投じようと決意しました。。

夜間大学で福祉を学び、児童養護施設で実習し、
子どものシェルターでボランティアをし、
職員としても経験を積みました。
その後も自立援助ホームの職員等、
これまでに200人以上の子どもたちと関わってきました。

そんな中で感じたのは、
既存の制度や政策の限界と、小さな「かかわり」の必要性です。

児童相談所も養護施設も、誠心誠意の対応をしていますが、
溢れ出る課題に対して小皿を差し伸べているような状態で、
今のままでは子どもたちを守りきれません。

専門知識がなくても、子どもに関わったことがなくても、
一人ひとりが身近な子どもに小さな関心を寄せ、時間をともにしていくこと。
そんな小さな積み重ねが、見えないところで厳しい状況下にいる子どもたちが
安心して生きていく力を身につけることにつながるのではないか。

かつて私がシェルターで働いていたとき、
屋外でキャッチボールをすることで自傷行為をする子どもが減った経験がありましたが、
子どもたちに必要なのは、そんな普通の「かかわり」なのではないかと気づかされたのです。

あなたを必要としている子どもたちは、すぐ身近にいます。
きっかけは、すぐそこにあります。

一人ひとりの中にある想いの灯火を絶やさず大切に育み、
みんなで小さな「かかわり」の輪を広げていく「リトルハブプロジェクト」。
ぜひ多くの人に、参加していただけると嬉しいです。

(インタビュー・ライティング:池田美砂子)

岩崎愛 経歴

1984年

東京都杉並区に生まれる。

1990年

私学に通い、高校へ進学後、バイトをきっかけに世界が広がる。

1999年

勉強に価値を見出せず中退。通信制高校へ入学。

2000年

料理人の見習いとしてイタリアへ。本場の建造物を見て感動し、旅へ出ようと決意。ピースボートのポスター貼りで旅の資金を貯める。

2001年

17歳でピースボートに乗り地球一周の船旅へ。社会的養護(児童養護施設)生活経験者と出会い、日本の子どもの現状を初めて知る。

2002年

東洋大学社会学部社会福祉学科夜間部入学。
自立援助ホームボランティア、障がい者自立生活支援センター介助員など
NPO法人「日向ぼっこ」立ち上げに関わる。

2006年

大学卒業後、社会福祉法人「カリヨン子どもセンター」就職。シェルタースタッフとして4年間で約100人の子どもたちと過ごす。

2010年

再びピースボートに乗り地球一周

2011年

里親支援事業・児童相談所スタッフ等

2013年

子どもシェルター(関西)スタッフ

2014年

船旅へ。帰国後は、鎌倉、横浜青葉台などにてシェアハウスで拠点の立ち上げを検討。

2019年

女児出産。子育てシェアハウス(東京都世田谷区)に転居。
コロナ禍の中、再度拠点探し。

2021年

茅ヶ崎市へ移住。地域の方々と任意団体リトルハブホームを立ち上げる。

2022年

「一般社団法人 リトルハブホーム」設立。
「おむすび寺子屋」開始。ご縁あって古民家をご紹介いただき「みんなの家 リトルハブホーム茅ヶ崎」を開設。

2024年

little hub project 開始